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OUR PROJECTS

生体機能性素材による新規培養法および医療材料の開発

 

この事業では、本学の伝統に根ざしたカイコの研究を発展させ、遺伝子組換え技術で改変した新規繭素材を活用しつつ幹細胞の未分化維持培養や、生体内での創傷治癒など生体機能の制御に関わる増殖因子タンパク質を提供できる革新生体素材を開発します。利用企業や研究者への希少改変カイコおよび生体素材および特性細胞の提供とコラボレーションにより、新たな幹細胞培養素材提供の社会実装を目指します。生物改変による有用素材開発の基礎原理についての公表と、医工連携ワークショップでの情報共有や啓蒙に役立てます。

介護負担軽減と介護の質維持のバウンダリーオブジェクトデザイン

 

要介護高齢者増加、介護職員の不足や働き方は大きな社会問題であり、対策としての介護施設への各種介助支援設備導入(センシング、自動ケア機器等)のための支援増強の動きがあります。ただし介助支援設備導入については、ユーザビリティの低さによる介護負担増加、更には介護の質を低下させるのではというダブルバインドを抱える介護者の存在も無視できません。本研究は介護負担軽減と介護の質維持のバランスに着目し、フィールドリサーチや当事者各位とのなどを通しその最適化に寄与する介助支援設備を構想し、そのためのセンシング機器や自動ケア機器の改良の方向性についての知見を得ることを目的とします。

ヒト疾患の診断・治療を目指した多細胞システムの構成的理解と制御

急速な社会変容、人口構造の変化によって、我が国の医療と福祉は大きな変革を求められています。ヒトの健康寿命促進のためには、長期ライフステージにわたる階層的な生命現象の理解が必要です。本プロジェクトでは哺乳類を対象とした細胞内代謝や組織間相互作用によるホメオスタシスに焦点を当て、組織工学のための生体材料開発、生体高分子の計測技術の開発、こうした基盤技術を用いた細胞、個体レベルでの分子機能の構成的な理解と制御を行います。応用生物学・分子化学・材料化学分野の緊密な連携により、多臓器疾患の診断・治療に向けた病態解明が本プロジェクトの目標です。

大規模言語モデルとスマートセンサーシステムの統合による高齢者のメンタルヘルスケアの実現​

 

本事業では国内の高齢者の精神医療の専門家、また浙江理工大学の繊維科学・工学の専門家との共同研究により、高齢者の精神の健康、スマートテキスタイルの研究に関する国際ワークショップの開催やIFの高い論文誌での採択、外部資金獲得を目指します。スマートテキスタイルをネットワーク化し大規模言語モデル(LLM)を統合することで高齢者の精神の健康維持を革新することが主要テーマです。高齢者の生理データや睡眠の質などを常時計測し、AIが解析してストレスや不安を早期に検出します。またLLMを用いた対話AI技術と組み合わせ、個人化した高齢者の精神の健康維持をサポートします。

希少疾患の病態解明を基盤としたヒト遺伝的ダイバーシティの包括的理解(先導研究)

本研究課題では希少疾患の原因となるヒトゲノム微細変異に注目し、ゲノムの多様性が発生過程にどのような影響を与えるのかについて、ゲノム医学に卓越した技術を有する学外研究者、海外研究者との連携研究を進めます。さらに、ヒトの生物学的多様性の科学的エビデンスが市民社会にどのような影響をもたらすのかについて、ソーシャルデザインを専門とする本学教員との連携により議論を進めていきます。メディカルバイオサイエンスの実証研究による希少疾患の病態理解、早期診断・治療への道筋を確立すること、さらにこうした研究成果を礎としてヒト多様性についての真の理解を目指すことが本プロジェクトの目的です。

社会医工学研究センターでは、本学の令和4年度中期目標に掲げられた「価値創造による次世代社会システム構築のための地球規模の社会課題の解決と、研究成果としての科学的理論や基礎的知見の現実社会での実践に向けたイノベーションの創出」に取り組みます。この一環として本学独自の科学的知見を統合しつつ、学内外との学際的な医工連携により社会課題の解決に注力します。この社会課題のうち2つの医工学テーマである再生医療および高齢者医療に関する研究を学際横断的に進めます。このため、生体機能性素材による新規培養法および医療材料の開発、ヒト疾患の診断・治療を目指した多細胞システムの構成的理解と制御、および希少疾患の病態解明を基盤としたヒト遺伝的ダイバーシティの包括的理解に関する生体医工学研究と、介護負担軽減と介護の質維持のバウンダリーオブジェクトデザイン、さらに大規模言語モデルとスマートセンサーシステムの統合による高齢者のメンタルヘルスケアの実現に関する社会医工学研究を遂行し、本学独自の医工学研究を創成します。これらに関連して、本学における医工学関連研究者による学内外・国内外の共同研究と頭脳循環を加速し、医学系研究機関を交えた研究交流を目指したワークショップ等により研究を質的に発展させます。

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